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マゾヒズム文学の世界

谷崎潤一郎・沼正三を中心にマゾヒズム文学の世界を紹介します。

近況

いつのまにかブログを開設して10年がたっていました。
まずは、著しく「公共の福祉」に反すると非難されかねない当ブログを10年に渡って存続させてくれたFC2に改めて感謝したいと思います。

記事数をカウントしてみたところ

2007年 6本
2008年 1本
2009年 1本
2010年 29本
2011年 5本
2012年 14本
2013年 3本
2014年 15本
2015年 7本
2016年 10本
2017年 4本

でした。
2010年は会社を辞めて半年ほど無職をしていたのでよく覚えています。
時間は今もあるのに…なにかスイッチが入らない日々が続いています。

それにしても馬仙人はやっぱりすごいですね。
最近の記事は本当にすごい。
私も負けずにがんばろうといつも思わせてくれます。

馬仙人も紹介してくださいましたが、最近はtumblrというSNSをたまに閲覧しています。
Twitterは…一時期killhiguchiさんや鳥尾さんの他にも趣味が合う人が結構見つかって「同人誌を作ろう!」なんて盛り上がったこともあったんですが、自分がログインしない→同好のフォロワーも集まらないという悪循環で完全に放置状態です。
日本のインターネット上の男性マゾヒズムは、相変わらず「3万でどうですか?」的な実践派と、漫画・アニメ・ゲームなどの同人系。
私にはどーも退屈なんですよね。
ワクワクしない。
その点tumblrの欧米のユーザーの中には「race play」のヤバい愛好者に加え本物の人種差別主義者・白人至上主義者がたくさんいて、キャプションつきの画像はすばらしいものがあります。
外国語がもっとわかればもっと面白いとは思うのですが…勉強しようとは思いません。
アカウントをお持ちの方はぜひフォローしてみてください。
https://www.tumblr.com/blog/victoryofthewhite

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ブログ凍結について

このたびFC2の一斉凍結措置により、「マゾヒズム文学の世界」も凍結されていましたが、本日凍結が解除されました。
凍結中は管理画面にもアクセスすることができず、解除は絶望的という情報も流れました。
バックアップをとっていなかったので、10年書き溜めたコンテンツがすべて失われる危機を感じ、目前が真っ暗になりました。
解除されたのですぐにバックアップを取りました。
今回の騒動で自分にとって何が大切なのか改めて思い出しました。「マゾヒズム文学の世界」は私のすべてです。最近はそれを忘れていました。
今年で35歳になり、時間の有限性も感じ始めています。
性欲というものがいつまで続くのかもわからない。
自分自身後悔のないように、ブログ更新に注力してきます。
また、読んでくださる方に対する感謝もすぐに忘れてしまいますが、あらためてそれも思い出しました。
今後ともよろしくお願いします。

伝説のネット批評家:kagamiさんのマゾヒズム論

私がインターネットに初めて触れたのは、2002年ころだったと記憶しています。
その後今に至るまで、たくさんの、そして様々な尊敬すべきマゾ系の表現者に、刺激を受けてきました。
今回はその中でも、私が最も敬愛する表現者の一人で、多大な影響を受けた、kagamiさんをご紹介します。

とは言っても、ゼロ年代前半からインターネットを渉漁されていた方にとっては、記憶に残っている方かと思います。
2ちゃんねるにもkagamiさん専用のスレッドがあったくらいたくさんのファンとアンチを抱え、半ば神格化されていたネット批評家です。
kagamiさんは何度かサイトを変えています。

好き好きお兄ちゃんM!

ロリコンファル

ねこねこブログ

と推移しています。

「好き好きお兄ちゃんM!」と「ロリコンファル」は、PCゲームの批評をメインテーマとしながらも、まさしく森羅万象を語るサイトでした。
ゲーム、アニメ、映画、音楽、古今東西の文学、歴史、芸術、哲学、心理学、政治、経済、社会、科学…
あらゆるテーマについて、計り知れない大図書館のような知識を背景に、豊富な引用を用いながら論じていました。
しかしkagamiさんが当時のネット世界で神格化されていたのはそれだけが理由ではありません。
博学な方にありがちな、高みから冷静に論じる調子とは正反対の、強く、強く感情を込めた、狂気すら感じる空前絶後の独特な文章。
決して美文ではありませんが、人の生の感情を剥き出しにした圧倒的な力を持った文章が、人を引き付けてやまなかったからだと思います。

kagamiさんは性的にはマゾヒストを公言されていて、マゾヒズムに関する、とてもすぐれた評論を数多く書かれていらっしゃいました。
kagamiさんのマゾヒズムの中核となっていたのは、聖少女崇拝=ロリータ・マゾヒズムでした。
マゾヒズムとは「最も純粋なる期待状態」であり、「最も至高のものに己の意志で己の意志を委ねる究極の快感」であるとしたうえで、その「最も至高のもの」とは、「両性具有的/無性的」であって「プラトン的な完全」を体現した「偉大な子供たち」であるとします。
聖少女の奴隷となり聖少女に仕えることは、「真実に仕えること、善に仕えること、無垢に仕えること、そして何より、
美に仕えること」であり、それが「肉が穢れ魂が腐り果てた」「無力かつちっぽけな、塵芥の如き存在」である人間の生きる唯一の意味なのだと。
それによってのみ人間は「究極の、全身全霊を打ち震わす快感」「永遠の、究極の、至高の、快楽」に出会え、文明原理・男性原理の支配する「悪しき獄たる最低最悪の邪悪世界」から解放されて「人類史における新たなる高次到達」に至ることができると!

すばらしい。
これを読んで、「美尊醜卑」を根本哲学とする私自身のマゾヒズムと大いに通ずるものを感じて自分の分身を見つけたように感じ、またその心理をここまで明快に言葉で表している文章に初めて触れて、深い深い感銘を受けたのを覚えています。
外見の美醜と魂の清らかさ・穢さが一体であるという心身一元論にも通じるものを感じました。

kagamiさんはまた、白人種の少女の容姿を、「あらゆる美の頂点に君臨する至上究極至高の美」、「全てを超越する
永遠にして不滅の一瞬を齎す栄光の神聖美」「ひれ伏さずにはおれない神々しさ」として、白人崇拝マゾヒズムにも並々ならぬ情熱を示していらっしゃいました。

しかし私がkagamiさんの文章で最も敬服したのは、その谷崎潤一郎論です。
谷崎のマゾヒズム、白人崇拝、そして耽美主義(「美」至上主義)に対して、kagamiさんほど誠実に、常識や既存の解釈を排して原典に即して読み込み、自らの価値観やセクシャリティと照らし合わせる真のtext readingをされていた研究者は、文献上でもネット上でもいまだに見ることはできません。

kagamiさんはインターネット上のいわゆる「オタク」あるいは「サブカル」といわれる人達の間で有名になり、もてはやされたり、貶められたりしていたようですが、kagamiさんと、他のネット批評家と最も異なる点は、自分の博学を他者にひけらかすためには絶対に書かなかったし、心の底から理解できていないものに対して理解したふりを絶対にしなかったことですね。
kagamiさんの文章の中でkagamiさんの博学は、kagamiさんの強い感情の表現のためにのみ使われていました。
つまり、誰よりも誠実だったのです。

kagamiさんは2008年ごろからネット上でのトラブル、うつ病の悪化、生活の困窮をエントリーで訴えるようになり、HNを「ねこねこ」さんに変え、はてなダイアリーの「ロリコンファル」を閉じ、ライブドアブログの「ねこねこブログ」を開設されました。
うつ病との闘病の中でセクシャリティも変化したそうで、ねこねこブログではマゾヒズムを含めた性衝動に関することは書かれなくなり、メインコンテンツだった成人向けPCゲームの感想もなくなりました。
ねこねこブログでは扱うテーマや文体がそれまでとは大きく変化しましたが、内容のすばらしさは変わりませんでした。

現在もねこねこブログはたまに更新されていますが、ネット上でkagamiさんのことが語られることもほとんどなくなってしまったようです。
しかし、私がネット上で表現を始めるにあたり、kagamiさんから受けた多大な影響は、今も私の中に生き生きとして残っています。
再び現れることはないだろう、「知の巨人」とも言うべき偉大なネット批評家の存在を、伝説として記録と記憶にとどめたいと願っています。

現在閲覧できるお勧めの記事です。

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